カテゴリー別アーカイブ: ちいさなおはなし

ちいさなおはなし第14話。

こんにちは、さかいみるです。

しばらくお休みしていました「ちいさなおはなし」再開しました。
またお休みするときもあるかもしれませんが、あたたかく見守っていただけると嬉しいです。
そして楽しみにしてくださっている方々にも心から感謝しています。

6月1日からはじまりました「メチャくんの今日の言葉」毎朝更新も、
みなさまの ”だいじょうぶ?” を胸に抱き、順調に1週間を越えました♪
1年間の連載予定です。はい、だいじょうぶです☆

今日は「湖畔の村のちいさなおはなし第14話」です。

第14話「空が泣く日。」

「今日もお空が泣いてるね。ぼくも悲しくなっちゃうよ。」
メチャくんと窓の外を見ていたコロちゃんがしょんぼり触覚をさげました。

「空もうんと泣きたくなるときがあるんだよ、きっと。」

「そうだ!ねえ、いっしょに空を励まそうよ!」
ふたりは空のために丁寧にオーナメントを作りはじめました。
「ハートをいっぱいつけてね。。。」

「ここにさげてお空から見える?」
「うん、見えると思うよ。もうちょっと右の方がいいかな。」

ちょっと不格好だけど元気いっぱいの手作りオーナメントが窓辺でゆらゆらゆれました。

それでも。。。

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空は泣き続けました。
次の日もその次の日も。

そして湖畔の村の住人たちが心配になりはじめたある朝、ふいに空は泣きやんだのです。

「ぼくたちが窓辺にさげたオーナメントに気づいてくれたのかな?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
きっと空は自分で泣きやむ方法をみつけたんだよ。」

「見て!お空の涙で大きな虹がかかってるよ!」
それはきらきら輝く立派な弧を描いた虹でした。

「空からの贈り物だね。」
「うん、元気になってくれて嬉しいね。」
「また泣きたくなっても、泣きやむ方法をみつけたからきっと大丈夫だね。」

メチャくんとコロちゃんはいつまでもいつまでも、虹がその姿を消すまで眺めていました。

ちいさなおはなし第13話。

こんにちは、さかいみるです。

今日は「湖畔の村のちいさなおはなし第13話」です。

第13話「好きの理由。」

メチャくんは、ちょっぴりゆがんだ木のお人形を持っていました。
メチャくんはこのお人形のことがとても好きでした。

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「メチャくん、このお人形のどこがそんなに好きなの?」
聞きたがりやさんのコロちゃんがたずねます。

「どこが好き?うーん、好きは、ただ好き。なだけだよ。」

「帽子かぶってるからとか?可愛いからとか?そういうなんか理由はないの?」

「うん、好きの理由がないからずっと好きなんだと思う。
このお人形が、このお人形である限り、ぼくはずっと好きだと思うよ。」

「ふーん。。。」

コロちゃんは、メチャくんの言葉になぜだかとても安心して、
あたたかいミルクにはちみつをたっぷりいれて、
嬉しそうにスプーンでぐるぐるかきまわしました。

「うん。ぼく、はちみつが好き。そう、ただ ”好き” なんだ。」

ちいさなおはなし第12話

こんにちは、さかいみるです。

先日、いのちのたび博物館さんに展示ケース等の下見に行ってきました。
展示できたらまたお知らせします!
そして、同館内のこどもミュージアムでもメチャくんの絵本が閲覧できるようになりました♪

下見と打合せが終わり、せっかくなのでウロウロと館内を見てまわりました。
すごく大きな恐竜の骨格とか、隕石とか、化石とか、博物館ならではの珍しいものを
見ることができてとても楽しかったです。

恐竜の骨格を見たのは初めてだったので、あまりの大きさにびっくりしました!!

さて、今日は湖畔の村のちいさなおはなし第12話です。
お楽しみいただけたら嬉しいです。

第12話「しあわせのかたち。」

おやつの時間です。
メチャくんは大好きなドーナツをひとつお皿にのせて楽しくお茶のしたくを始めました。

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今日は桃のかおりのするお茶に決めました。

メチャくんはドーナツを持ち上げてじっと見つめます。
そしてこのドーナツのリング型は ”しあわせのかたち” だと感じ、
満足してほおばろうとしたとき、コロちゃんとだんごむしのだんごがやってきました。

メチャくんは桃のお茶をいれてあげ、ドーナツをわけてあげました。

そして、みんなでドーナツを食べようとしたとき、
今度は小鳥のフリップとフラップがやってきました。

メチャくんは桃のお茶をいれてあげて、またドーナツをわけてあげました。

ドーナツはずいぶん小さくなりました。

みんなで囲んだテーブルで、メチャくんは小さくなったドーナツを見つめ、
「さっきよりもっと ”しあわせのかたち” になった。」と、
うんと満足して、ひとくちサイズになったドーナツを口にいれました。

 

ちいさなおはなし第11話

こんにちは、さかいみるです。
今日は湖畔の村のちいさなおはなし第11話です。

その前にお知らせです。
今日、突然決まったのですが、
北九州市立いのちのたび博物館で3月15日〜6月1日まで開催されます
「まるごと猫展」に、メチャくんと「絵本deえがお」の活動も
展示させていただくことになりました!
ありがとうございます!

急遽決まりましたので、メチャくんは初日には間に合わないかもしれないのと、
どのコーナーにどういう風に展示されるのかもこれからなので、
また分かり次第お知らせしてゆきます。

では、はじまりはじまり〜♪

第11話「春のように。」

ほんの少し寒さがやわらかくなってきた朝、
メチャくんとコロちゃんはゆっくりお散歩していました。

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「ほら、コロちゃん、こんなところに春がいるよ。」
メチャくんがネコヤナギのふわっとした小さな小さな銀白色の芽を見つけて言いました。

「ほんとだ!あっ!ここにも春がいるよ!」
コロちゃんがさけびました。
まだ表面は固くつめたい土の下から、もっと小さな芽がひょっこり顔を出しています。

「こんなに寒くてつめたかった冬の間でも、
春は春になるために、ちゃくちゃくと準備していたんだね。
楽しいときも苦しいときも春みたいに、そこに立ち止まらないで進んでゆきたいな。」

そうしてふたりはうちに帰り着くまでに、
数えきれないほどの小さな春のはじまりをみつけたのでした。

ちいさなおはなし第10話

こんにちは、さかいみるです。

今日は湖畔の村のちいさなおはなし第10話です。

第10話「遠くはなれていても。」

旅鳥が今年の旅にでることになりました。
湖畔の村の住人たちは遠くに暮らす大切な人に、羽のようにうすい紙に書いたお手紙や
軽くて小さな贈り物、歌をことづけます。

今年の旅鳥は、旅が終わって帰ってくる場所があることに嬉しさを感じていました。
そしてみんなも旅鳥が帰ってくることが分かっていることを嬉しく思っていました。

「ぼくは、もしもしの森から3つむこうの山に住む、ふたごのお兄ちゃんに渡してもらうんだ。
メチャくんは?」

コロちゃんが小さな絵はがきを、ぎゅっとにぎって言いました。

「ぼくは。。。ぼくがうんと小さかった頃いっしょに過ごした大切なひとに。。。」

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旅鳥のところにたくさんの住人が集まりました。
そして旅鳥のリュックはちいさな贈り物でいっぱいになりました。

「ここにいるみんなは、ちいさなさみしさを持ち歩いているんだね。」

みんなの胸のきしきしという音が聞こえてきそうでした。
でもそれは、さみしさに何か別の優しいものも混ざった音のようです。

「会えないときはせつなくなるような、そんな人がいて幸せだと思いたいんだ。
遠くに離れていても大切に想う気持ちは変わらないものね、ずっと、ずっとね。」

みんなで旅鳥を見送ったあと、メチャくんはスプーンひとさじぶんだけ泣きました。
そしてノースポールの小さなつぼみを見て、またにっこり微笑みました。

***

旅鳥の前回のおはなしはこちらからどうぞ

ちいさなおはなし第9話

こんにちは、さかいみるです。

今日は湖畔の村のちいさなおはなし第9話です。

第9話「メチャくんがかぜをひいた。」

クシュン!コホコホ。。。

「鼻が乾いてる。ぼく、どうやら風邪をひいたみたいだ。」
メチャくんは蒔きストーブの前のソファにこしかけて、ひざかけをかぶりました。

コホコホ。。。コホコホ。。。

そしてそのまま、ウトウトと眠ってしまいまた。

ぶるっと寒くなって目が覚めかけたとき、ふわっと優しく暖かなものに包まれ、
目を開けてみると、いつのまにか屋根裏からストーブの前に移動しているバスケットベッドの中で
ふくふくの毛布にくるまっていました。

蒔きストーブの上にはしゅんしゅんとお湯が沸き、ぼんやりとみんなの姿が見えます。

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「メチャくん、目さめた?」
コロちゃんが心配そうにのぞきこみます。

「メチャくん、目をさましたんだね。」
ひまわりさんがあたたかいおかゆを持ってきてくれました。

「メチャくんが目をさました!」
ハリーも風邪によく効く薬草の煎じ茶を手にしています。

そして、チコちゃんが額のタオルをかえてくれました。

「メチャくん、ぼくのとっておきのはちみつ、はい。」
コロちゃんが両手でスプーンを持ってメチャくんの口にひとさじいれてくれました。

そうして、あたたかい毛布にくるまれたメチャくんは、
みんなの静かな話し声と、しゅんしゅんというお湯の沸く音が重なって、
やさしい音楽を聴いているような気持ちになりました。

「ぼく、さっきまであんなにふるえていたのに、今はおなかも胸の奥の方もポカポカだ。。。」

そう思いながらまた眠りの国の扉を開くのでした。

ちいさなおはなし第8話

こんにちは、さかいみるです。

今日は湖畔の村のちいさなおはなし第8話です。

第8話「メチャくんのてぶくろ」

メチャくんのてぶくろは、もうずいぶん前に編まれたもので今では少し小さすぎました。
でも、寒くなるとときどき出してきて、にぎにぎしたり、ほおずりしてタンスにしまいます。

「そのてぶくろのこと大好きなんだね。」
ある日コロちゃんが言いました。

「このてぶくろとぼくは特別な間柄なんだ。
うんと小さな頃からぼくの手をずっとあたためてくれてたんだもの。
ぼくはこのてぶくろのことを思い出すだけで、胸があたたかくなるんだよ。」

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そのときはりねずみのハリーがやってきました。
「メチャくん、これ、おふろにいれるとあたたまるよ。」
そして、ぴりぴりに冷たくなった手でメチャくんに薬草をわたしてくれました。

「ありがとう、ハリー。あ、ちょっとまってて、これ、きみに。」
そう言ってメチャくんはあのてぶくろをさしだしました。

「すごくあったかいよ!」ハリーは何度もジャンプして喜んでいます。

「メチャくん、きみの大切なてぶくろ、あげてよかったの?」
コロちゃんがちょっと心配そうに聞きました。

「もちろんさ!あのてぶくろが今度はハリーの小さな手をあたためてあげているんだと思うと、
ぼくの胸はもっとあたたかくなるよ。」

そう言ってメチャくんは両手で胸をおさえました。

メチャくんとなかまたちの紹介でプロフィールを見ることができます。

ちいさなおはなし第7話

こんにちは、さかいみるです。
みなさまどんな年末をお過ごしでしょうか?
私は、毎年恒例、地味な年末です♪

今日は湖畔の村のちいさなおはなし第7話です。
今年最後のおはなしです。

今年1年、メチャくんともども応援してくださいまして本当にありがとうございました。
来年もこつこつと作品をうみだしてゆきますので、どうぞよろしくお願いします!

第7話「手紙」

湖畔の村の住人が眠りにつく頃、しんしんと雪が降りはじめました。

しんしん しんしん・・・

いつもより早起きをしたメチャくんが窓をあけると、
湖畔の村は雪に包まれてまっしろの世界です。

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メチャくんは顔を洗うとすぐにオーバーを着てブーツをはき、白い世界にとびだしました。

そして「今日」におはよう!と元気にあいさつすると、
まだ生まれたてほやほやの雪野原にそっと足をふみいれてみます。

きゅきゅきゅ きゅ

何歩も何歩もふみしめて雪野原に大きなハートを描きました。

heart

「メチャくん、なにしてるの?」
まだねぼけた顔でコロちゃんがついてきました。

「お空にお手紙書いたんだよ。いつもひろい青空やおもしろいかたちの雲や
きれいな虹を見せてくれてありがとうって。」

そのとき、どこからかひらひらと小さな花がおちてきて、メチャくんの手の中におさまりました。

「もうお空からお返事きたね!」

メチャくんは小さな花を大切に両手でつつんでコロちゃんと、
朝ご飯を食べに家の中にはいってゆきました。

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***

メチャくんとなかまたちの世界で雪のない地図を見ることができます。

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ちいさなおはなし第6話

こんにちは、さかいみるです。
今日は湖畔の村のちいさなおはなし第6話です。第5話の後編になります。
第5話をごらんになっていない方、見たけど忘れちゃった!という方はこちらからどうぞ。

第6話「冬の日のおまつり〜開催編

ドアをあけると、そこには赤い洋服にゆたかな白いひげのおじいさんが
ニコニコして立っていました。

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「メチャくん、こちらの・・・派手なおじいさんはどなた?」
コロちゃんがおずおずと聞きました。

「サンタクロースさんだよ。とつこつトンネルのむこうで、
”クリスマス”っていうおまつりがあってね、サンタさんは、
こどもたちにとって大切な役目があるんだ。」

「はじめまして、コロちゃん。こどもたちのところへ行く前に
毎年メチャくんのうちに寄って熱いミルクのお茶をよばれていくんだよ。入ってもいいかい?」

メチャくんは、いろいろなスパイスを煮詰めたお茶に熱々のミルクをいれて
サンタクロースに渡しました。

6_santa_chai

「身体があたたまるよ。」
サンタクロースは大切そうにミルクのお茶を飲み終えると、
「ありがとう、メチャくん。では、行ってきます。」
そう言って、ドアをあけて出て行きました。

「さあ、ぼくたちもおひさまレストランへいこう!」

おひさまレストランはいつも以上にキラキラして、
そこに集まる村の住人たちも、いきいきと楽しそうです。
みんな思うままに踊ったり、おしゃべりしたり、食事をしたり。

そして ”冬のおくりもの” という歌を、ほっぺがまっかになるくらい全力で歌います。

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最後にメチャくんが詩を朗読し終わると、今度はみんなで後片付けも楽しみます。

片付け終わり、手作りサシェとクッキーを持って家路に向かう頃、
みんなの胸の中には、このひと冬が越せるほどの灯りがぬくぬくと灯っていました。

「いつもおまつりの後はちょっぴりさみしいね。」
コロちゃんがつぶやきました。

「そうでもないよ、だってまた来年のおまつりを楽しみに待つことができるからね。」
そう言ってメチャくんは、ぽっかりまるいおつきさまが浮かぶ、空を見上げてほほえみました。

6_moon

メチャくんが朗読した詩です。

poem

***

メチャくんとなかまたちの紹介に仲間を追加しました。
ありのアン、だんごむしのだんご、ちょうちょのネッスル

メチャくんとなかまたちの世界から、とつこつトンネル、おひさまレストランの場所、
詩に出てくる”やまうらら” ”こころ湖”の場所がのった地図を見ることができます。

ちいさなおはなし第5話

こんにちは、さかいみるです。
今日は湖畔の村のちいさなおはなし第5話です。

今回は前編と後編になります。いつもよりちょっと長いです。

第5話「冬の日のおまつり〜準備編

まるくて白い綿のような雪が降る頃
湖畔の村の「冬の日のおまつり」が、おひさまレストランで開催されます。

その日のために村の住人たちは、それぞれが、それぞれの出来ることで
みんなに喜んでもらおうと、しゅくしゅくと準備を進めてゆきます。
準備も楽しいおまつりの一部なのです。

湖畔の村の住人にとって「時間」は使うものでも、追いかけられるものでも、
つぶすものでもない、目に見えない共に過ごす大切なともだちでした。

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ミルトンとアマンさんはサシェ作りに夢中になり、
ひまわりさんはたくさんの料理の下ごしらえに精を出し、
うりちゃんはお菓子作りをせっせと進めてゆきます。

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小さな仲間たち、飛ぶことの出来る仲間たちは、おひさまレストランに集まって
素敵に飾り付けをしてゆきます。

それから山野さんにマーチ、シュウタス、バディは山野さんの工房に集まって、
おまつりのときに演奏する曲をあわせています。

チコちゃんとしずくちゃんは楽しくダンスの練習をして、
ルーンはじっくりと新しい年の星を読み、それをウェインが記録してゆきます。

こうやって湖畔の村では、こつこつとていねいに時間が厚みを増してゆくのです。

さて、メチャくんはというと、毎年冬のおまつりのときに新しい詩を朗読するので、
コロちゃんと朗読の練習をしていました。

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朗読にも熱が入り始めたときです。
”トントン” とささやくようなノックの音が聞こえました。
メチャくんとコロちゃんは顔を見あわせました。
いったい誰がやってきたのでしょう?

続きは「第6話冬の日のおまつり〜開催編〜」で。

***

メチャくんとなかまたちの紹介にたくさんの仲間を追加しました。
こいぬのしずくちゃん、クマのひまわりさん、クマの山野さん、こねこのマーチ、
ワニのバディ、星読みうさぎのルーン、コウモリのウェイン、ハリネズミのハリー

メチャくんとなかまたちの世界から、おひさまレストランの場所、
みんなの家の地図を見ることができます。