こんにちは、さかいみるです。
今日は「湖畔の村のちいさなおはなし」の第4話です。

連載を始めてから順調に隔週月曜日にアップできているので、
このまま「ちいさなおはなし」は隔週月曜日に定着させたいなと思っています♪

第4話「冬支度」

つめたい風がぴゅうとふく季節になりました。
メチャくんは長袖のセーターに着替え、毛糸のくつしたをはきました。
そして、戸棚の奥からゆたんぽも出してきました。

夜、ベッドに入る前にゆたんぽの口からコポコポとお湯をそそぎ、
ラベンダーの油をほんの少しいれます。
ふわぁっといい香りがして、いっぽ眠りに近づきます。

そして朝起きたときにまだふんわりと温かくいい香りのお湯を使って、
顔を洗ったり、おそうじしたりするのです。

ハーブが大好きなこぶたのミルトンに教えてもらいました。
ミルトンとアマンさんは毎年12月に開かれる湖畔の村の「冬の日のおまつり」のとき、
アマンさんが縫った小さな袋の中に、ミルトンが乾燥させたハーブをいれてサシェを作り、
みんなにプレゼントしてくれます。

「寒がりでよかったな。
寒がりだから、こうやってゆたんぽをだっこして眠れる冬が好きなんだもの。」

そう言ってメチャくんはぎゅっとゆたんぽをだきしめました。

＊＊＊

＊メチャくんとなかまたちのプロフィールは
「メチャくんとなかまたちの紹介」からどうぞ。

こんにちは、さかいみるです。
今日は「湖畔の村のちいさなおはなし」の第3話です。

第3話「自信のかけら」

メチャくんがお湯を沸かしていると、どろだらけの顔をしたコロちゃんが
玄関の土間に立っていました。

メチャくんはちょうど沸いた熱いお湯にタオルをひたして固くしぼり、
コロちゃんの顔をそっとふいてあげました。

こういう状態のコロちゃんはたいてい「自信」をどこかに落っことしてきているのです。

メチャくんはふわふわの小さな毛布でコロちゃんをくるんで、
いつものイスに座らせると、そよそよの森へ走っていきました。

そして森にあいさつして、落ちている栗を少し拾わせてもらうと、
またせっせと走って帰り、まきストーブの上で　しゅんしゅん　茹で、
皮をていねいに剥いてくだき、ちいさなお皿にのせてコロちゃんにさし出しました。

「さっき、そよそよの森に落っことしてたコロちゃんの「自信」のかけらを
拾ってきたよ。さあ、あたたかいうちに食べて。」

コロちゃんはそっとつまんで「自信のかけら」を口にいれました。
ほくほくとして、やさしい甘さがじんわり溶けて広がってゆきました。

窓のむこうには、もうすっかり夜がやってきています。

「だいじょうぶ。お月さまが眠るころ、ぴかぴかのまっさらな朝がやってくるよ。」

＊コロちゃんはどうしてこんなにも自信をなくしていたのでしょう。
そのお話は長くなるのでまたいつか。